天使の詩〜another story〜
———————ねぇ、ママ。愛ってなぁに?
愛を知らなかったあの頃…
恋をして
愛に気付き
心の痛みを知った
煌く木漏れ日の中で詩っていた幼かったあの頃を思い出して
-希望-
今日も詩っている
消して許されない
人間と天使の禁断の愛
それを知ってしまったJulietは
雲の切れ間に手をかけ
禁断の場所へ堕ちて逝く
木漏れ日もない深い闇へと…
闇の中で
今一人静かに詩う
Some say love, it is a river
That drowns the tender reed
Some say love, it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love, it is a hunger
An endless aching need
I say love, it is a flower
And you, its only seed
It’s the heart, afraid of breaking
That never learns to dance
It’s the dream, afraid of waking
That never takes the chance
It’s the one who won’t be taken
Who cannot seem to give
And the soul, afraid of dying
That never learns to live
When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only
For the lucky and the strong
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun’s love
In the spring becomes the rose
The Rose
そしてまた一人
愛を知らない天使がいた
その名はGiselle
———————Amor様 愛って何ですか?
ー貴方は愛の使い
でも決して愛を知ってはいけない
愛を知る事で
弓の行く先に邪念が邪魔をする
貴方は何も知らずただ私の使いを果たす事
それが私との約束ですー
『誓います 決して愛に触れないと』
同じ時
一人の人間が堕ちて逝った
天使に恋をし
禁断の愛を知ってしまった
その男は
深くて深くて
這い上がることなんて出来ない底に彼は堕ちて逝った
これは宿命なのか?
運命なのか…
1人の天使がそっと彼に触れる
冷たく冷え切った頬
息も無い
彼の体に触れた瞬間
守らなければならない…
と。
チクっと胸の奥をさす痛みと
共に
ふと遠い記憶の誓いが頭の中で木霊する…
『誓います 決して愛に触れないと』
頭と身体は
別の方向へと突き進む
何かに導かれるように
男にKissをした
その時
-覚醒-
男の背中に漆黒の羽根が
その羽根は大きく羽ばたき
-誕生-
目に光が宿る
同じとき
Giselleの目からは光が消え
こちらもまた深い闇へ堕ちて逝く
-悲しみ-
もう二度と飛ぶことは許されない絶望
とともに
愛を知り
希望に満ち溢れた
胸の痛み
その痛みにさえ
幸せを感じてしまう
そう
私は
愚か者
Giselleも
また
一人
静かにこの歌を詩う
誰かが言う 愛は川だと
それはかよわい葦を沈めてしまうような
誰かが言う 愛は刃だと
それは魂を切り裂いてしまうような
誰かが言う 愛は飢えだと
それは終わりのないうずくような欲求
私は言う 愛とは花だと
そしてあなたは そのたったひとつの種
それは心、傷つくことを恐れて
いつまでも踊り出せない
それは夢、目覚めるのを恐れて
チャンスを掴めないそれは誰か 取らせまいとして
与えることを知ることが出来ない人
そしてそれは魂、死を恐れて
生きることを学べない
夜がとても孤独で
道がとても長くて
愛は幸運や強さだけにあると考えるなら
ただ思い出して
冬には厳しい雪のはるか深くに
横たわる種も やがて太陽の光を浴びて
春にはバラを咲かせることを
The Rose
———————ねぇ私たちを見ている貴方たち
人間の愛とは美しいものなの?
愛を知った3人に戻る場所は無かった
でも
此処こそ誰にも邪魔されない
楽園
それぞれの誓いを破り
3人が堕ちて逝った
その場所は
希望という名のエスペラント
決して再び出会うことの無い
それぞれの深い闇の中で
鳴り響く詩声が…
耳を澄まして…
愛の詩が今日もどこからか聴こえてくる
その愛にあなたも深く堕ちて逝く…
この物語はフィクションです。